白髪鬼 新装版 (光文社文庫)
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白髪鬼 新装版 (光文社文庫)
岡本 綺堂

定価: ¥ 560
おすすめ度:

発売日: 2006-06-13
発売元: 光文社
買って損のない名作怪異集
百物語のように参加者が次々と体験した怪異を話していく「青蛙堂鬼談」と同じ形式の怪異短編集です。
多くのレビュアーの方が詳細を記載しているのであえて書く必要はないでしょう。
青蛙堂鬼談の入っている「影を踏まれた女」、そしてこの「白髪鬼」、
三浦老人昔話と新集巷談の入った「鎧櫃の血」
この3冊は買って損のない岡本綺堂の名作を集めた怪異集文庫です。
綺堂怪談の「技」
本書に収められた怪談は前作、「青蛙堂鬼談」と同様にその多くが語り口調で書かれています。
綺堂には「技」がある。「半七」や他の怪談も同様になぜ怪異が起こったのかをわざと具体的には語らないのだ。そのため読者は嫌でも怪異の「裏側」の物語を想像してしまうのだ。
本書収録の「指輪一つ」がそうだ。この話は語り部の側から見れば「行方不明の娘の霊が現れ父に指輪を託した話」であり悲しい物語だ。しかし、物語の中で語られる些細な文章から裏側の物語を想像すると「指輪一つ」はぞっとする物語が潜んでいるように思われるのだ。
多くを語らず読者の想像を掻き立てるゆえに綺堂怪談は恐ろしいのだと思う。
口調が良い
1988年に光文社文庫として出たものの新装版。文字が大きくなっている。
『影を踏まれた女』の続編に位置づけられる怪談集。
『近代異妖篇』(大正15年)から8篇、『異妖新編』(昭和8年)から5篇の、合計13篇が収められている。
語り口の巧みさは抜群である。淡々とした口調なのに、いのまにか怖くなってしまう。また、あからさまに恐怖を描くのではなく、投げ出したような素っ気なさで怪異・不思議が語られている点が魅力的。結末に至っても、解明や謎解きがされないのも素晴らしい。不安や恐怖がじんわりと漂ってくるようだ。
タイトルとなっている「白髪鬼」が傑作。ぞっとすること請け合い。
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